2006年05月23日

久々の新しい現像液が発売されます。

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 私は長い間、現像液を自家処方し、より美しいトーンのプリントを焼く試みをしておりました。あるモノクロ写真のMLのメンバーであるすずきりゅうじ氏が開発した処理薬がDigitaltruth Photo Ltd 社から発売されることになりました。印画紙や処理薬品が製造を打ち切られる昨今ですが、こういった製品が新発売になることは、私たち銀塩モノクロプリントを愛する人々にとって朗報と言えるでしょう。

以下はすずき氏からMLに寄せられたメッセージ(全文)です。

この時世に、何を言ってるのかと呆れられそうですが、私がインターネット上で度々議論しながら開発した処理薬品がシルバーグレインという銘柄で、 Digitaltruth Photo Ltd 社から発売されます。正式発表は米国時間で火曜日の昼頃に Digitaltruth 社から英語のプレスリリースでおこなわれますが、ここでは簡単に紹介させていただきたいと思います。

第一弾は、Tektol Standard プリント現像液、Tektol Neutral 冷黒調プリント現像液、Clearfix Alkaline 迅速アルカリ定着液、Clearwash 水洗促進剤の4製品です。

第二弾は主にフィルム現像液を中心に計画されています。

Tektol Standard と Tektol Neutral は、使いやすい10倍濃縮のプリント現像液です。調色処理をする場合の調色効果を上げるように工夫したのが Standard、また調色しない段階で冷黒調に仕上るように工夫したのが Neutral です。どちらでも、各種印画紙でなめらかなグラデーションとひき締まった暗部の階調が確認されています。また、Standard と Neutral を混ぜることにより、中間の黒調を出したり、調色効果を変調させることができます。

Clearfix アルカリ迅速定着液は定着時間と水洗時間が短縮できるのが特徴で、アーカイバル処理に適しています。この種の製品には Photographer's Formulary 社から発売の TF-4 定着液がありますが、TF-4 の場合は溶解しない多量の沈殿物(硼砂=ボロン塩)があったり、酸性停止液が使用できないなどの欠点がありました。Clearfix では、pH 緩衝材の工夫により、通常の量の酸性停止液が入り込んでも酸性にならないように設計されていますので、プリント処理時などに酢酸停止液と一緒に使うことができます。フィルム用にも、ピロガロール(パイロ)やカテコール使用の染色現像液だけでなく、一般の処理に幅広く使用できます。また、濃縮液はクリアーで、沈殿物はありません。

Clearwash は中性の水洗促進剤で、主にバライタ紙の処理で節水効果があります。バライタ紙のアーカイバル処理では、定着液の処理容量が小さくなるという問題がありますが(これは定着できなくなるのではなく、反応生成物が紙から抜けなくなるために保存性が悪化するためです)、Clearwash を使うことにより定着液のアーカイバル処理容量を増大し、薬品のムダを減らすことが出来ます。

その他の特徴としては、Tektol シリーズの現像液にはハイドロキノンを一切使用していません。低毒性、低公害性を重視し、現像主薬としてイソアスコルビン酸を使用しています。また、上記全ての製品にはボロン化合物、リン酸塩などは一切使用しておりません。

製品と販売方法は、以下のページで説明してあります。
http://www.digitaltruth.com/store/silvergrain.html
使用方法などは、各製品の下のリンクにあります。(私の下手クソな英語です)

現在は、大口顧客への直接販売と、web 直販が中心となります。残念ながら、今のところ、上記ページは英語のみであり、また日本向け送料もショッピングカートで自動算出されないようでして、あまり日本の皆さんには使えない情報であろうかと思いますが、これまで紹介してきた経緯もあり、報告させていただきました。

なお、Digitaltrush 社では、今後、日本向けの送料込みの価格を掲載した日本語のページ開設を計画しているとのことです。(私は処方を Digitaltruth 社にライセンスしているだけで、販売、サポート、その他ビジネス面では直接かかわっておりません。)

製品化されたものは、以前公開した処方を継続的に改良したものの最新版に基づいています。しかし、既に公開されている処方のユーザーの皆様は、今回の製品化とは関係なく、使用を継続していただいて結構です。(ただし、製品版の処方は、製造が継続するかぎり、公開の予定はありません。)
posted by みお at 18:52| 福岡 ☁| Comment(4) | TrackBack(0) | 銀塩 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
情報ありがとうございました。

まだまだ意欲を持っている方はいらっしゃいますね。
アメリカだから出せたともいえますね。日本ではどうかな?
Posted by dojou7 at 2006年05月25日 23:31
コメント、ありがとうございます。
これは大きな利益は出ないと思いますけれど、文化的な資産として考えることができなければやれない仕事でしょう。アナログが瀕死の状態になっているだけに久々の福音という気がします。
Posted by みお at 2006年05月25日 23:47
早速紹介ありがとうございます。
販売元に日本語の紹介ページも作ってもらいましたので興味のある方はご覧ください。価格は日本向けの送料込みの割引価格を設定してあります。
http://www.digitaltruth.com/store/silvergrain-jp.html
Posted by りゅうじ at 2006年07月17日 06:59
りゅうじさま
コメントありがとうございます。少しでも銀塩写真のために役立つことができれば幸いだと思い紹介させていただきました。私自身もまだ銀塩を捨てていませんので、この度の現像液の商品化を大変心強く思っております。
Posted by みお at 2006年07月18日 22:23
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